ドッグフードを食べやすくするために、ふやかして与えたい。
だけど最適な水分量だったり、水分の温度、ふやかす時間などが分からない・・・
ワンちゃんに与えるご飯だからこそ、失敗はしたくないですよね。
でも実は、どこの家庭でも用意ができる「ぬるま湯」さえあれば、ドッグフードを正しくふやかすことができちゃうんです。
そこで今回はドッグフードの最適なふやかし方から、メリット・デメリットを中心に紹介していきます。
この記事を参考にすれば、あなたが知りたかったドッグフードのふやかし方のアレコレを全て知ることができますよ。
記事の目次
ドッグフードをふやかす最適な方法は「ぬるま湯」
まずはドッグフードをふやかす最適な方法を見ていきましょう。
上の流れがドッグフードをふやかす手順です。
少し時間はかかりますが特に難しいところはなく、誰でも簡単にふやかすことができますね。
余った水分も一緒に与える-ポイント
ドッグフードをふやかしたときのポイントとして、器の底に残った水分も一緒に与えるようにしてください。
ドッグフードに含まれる成分のなかには水溶性の栄養もあるため、ドッグフードの栄養が水に溶けている可能性があります。
つまりドッグフードをふやかしたときに余った水分は栄養の宝庫というわけです。
捨てないように気をつけてくださいね。
ぬるま湯以外でドッグフードをふやかすのはオススメできない
そもそもなぜドッグフードは「ぬるま湯」でふやかす必要があるのでしょうか?
ぬるま湯以外にも、ふやかす方法は沢山あります。
- 水
- 熱湯
- ミルク
- 電子レンジ
正しい知識でドッグフードを与えてほしいので、上から丁寧に解説していきますね。
水-オススメできないふやかし方
毎日行う作業だから、ぬるま湯の用意が正直面倒くさい・・・
そんな考えから、水でドッグフードをふやかしてしまう飼い主さんもなかにはいるのではないでしょうか。
水でドッグフードをふやかすと、ワンちゃんによってはお腹を壊してしまうことが考えられます。
ほかにもドッグフードによっては、全くふやけないということもあるので、ぬるま湯がベストですよ。
熱湯-オススメできないふやかし方
ぬるま湯が大丈夫なのだから、ポットや鍋でお湯を沸かしてドッグフードをふやかしても大丈夫なはず。
確かに、ぬるま湯より熱湯のほうが早くふやけるため、時間効率で言えばオススメできます。
ですが熱湯でふやかした場合、ドッグフードに含まれるビタミンやミネラルを壊してしまう恐れがあるほか、タンパク質の変性を引き起こしてしまう可能性があります。
タンパク質の変性とは高い温度での加熱をしすぎてしまうことで、構造が変化してしまうことを言います。
一度構造が変化してしまうと、水に溶けない部分(疎水性)が表面に出てきて、ワンちゃんの体に消化されにくくなります。
つまり熱湯でふやかすと、ドッグフードに含まれている必要な栄養素を壊してしまうから、ワンちゃんのためにならないということですね。
ミルク-オススメできないふやかし方
ドッグフードをふやかすときにワンちゃんのことを想って、ミルクでふやかしてしまう場合があります。
その気持ちはとても良いことなのですが、ミルクでドッグフードをふやかすことはオススメできません。
一般的に流通しているドッグフードは総合栄養食と呼ばれる、ドッグフードになります。
「総合栄養食」とは、ペットフードのうち、犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスのとれた製品であって「ペットフード公正取引協議会」の定める試験の結果を基に定められています。
噛み砕いて解説すると、「総合栄養食のドッグフードと水があれば、ワンちゃんの健康は維持できるよ」といったところですね。
一方で、ミルクにも栄養は沢山含まれています。
つまりドッグフードをミルクでふやかしてしまうと、栄養過多になってしまう恐れがあります。
ワンちゃんの喜ぶ顔が見たくてミルクでふやかしていたら、「いつのまにか肥満になっていた・・・」なんてことも考えられるので、基本的にはぬるま湯で順分ですよ。
電子レンジ-オススメできないふやかし方
ぬるま湯を作るのが手間なので、電子レンジで時短を試す飼い主さんもなかにはいます。
結論から言うと、適温(45~50度程度)にできれば問題はありません。
ですが、電子レンジで加熱する場合は置く場所やドッグフードの盛り方などで、温度にムラができてしまいます。
ほかにも温めすぎて高温になってしまい、上記で解説したタンパク質の変性といった現象も考えられます。
上手く温めることができれば問題はないのですが、ぬるま湯のほうが確実ということは覚えておいてくださいね。
ちなみに電子レンジの電磁波が、なにかドッグフードに悪影響を及ぼすんじゃないか?と疑問に思う飼い主さんもいるかもしれません。
このあたりの実験は1995年にマウスで実験されていて、何も特に影響はなかったとされています。
参考 Human diets cooked by microwave or conventionally: comparative sub-chronic (13-wk) toxicity study in rats.Pud Med.gov
※英文です。
ドッグフードをふやかすメリット
ドッグフードをふやかすことで様々なメリット・デメリットが存在します。
- 食べやすくなり消化を助ける
- 満腹感を得られやすい
- 柔らかくなるから食べやすい
- 香りが強くなるため食いつきがあがる
まずはメリットから解説していき、後半にデメリットを紹介していきますね。
1.食べやすくなり消化を助ける-メリット
ライフステージが子犬であれば、まだ歯や内蔵器官は発達していないはず。
そんなときにカリカリのドライフードを与えたら、消化もあまり期待できません・・・
老犬の場合も歯や内臓器官が衰えているので同じです。
消化がされなければ、身体に吸収もされないのでワンちゃんのためにはならないですよね。
ですがドッグフードをふやかせば、やわらかくなり食べやすくなるので消化もしやすくなります。
また、水分も効率的に摂取できるので代謝の維持にもなりますよ。
2.満腹感を得られやすい-メリット
ドッグフードをふやかすことで、かさが増すのでカリカリのドッグフードより満腹感が得られやすい効果が期待できます。
人間の食べ物で例えるなら、「おかゆ」「リゾット」などが良い例ですね。
そのため食欲旺盛な子やダイエットが必要な子には、ドッグフードをふやかしてあげると、ワンちゃんもいつもより満足感を得てくれるかもしれませんよ。
3.香りが強くなるため食いつきがあがる-メリット
ドッグフードはふやかすことで、香りが強くなるため食いつきが良くなります。
ちなみにワンちゃんの味覚は人間と比べると鈍感で、味を感じるための味蕾細胞が人間9,000個に対し、ワンちゃんは1,700個ほどなっています。
そのかわり、ワンちゃんの嗅覚は人間よりも遥かに優れているため、ドッグフードをふやかすことは、とても効果的と言えますね。
ドッグフードをふやかすデメリットは「歯垢が残りやすい」
ドッグフードをふやかすことは一見すると良いことづくめですが、「歯垢が残りやすい」というデメリットもあります。
通常カリカリのドッグフードは多少なりとも、歯磨きの効果があったり比較的、食べかすが歯に詰まりにくい特徴が。
一方で、ふやかしたドッグフードはやわらかいため、歯に詰まりやすい側面があります。
詰まりやすいなら、「入念に歯を磨けばいいのでは?」と思いがちですが、磨き残しは絶対と言っていいほどあります。
ワンちゃんは人間と違って歯垢→歯石になる速度が早く、さらに放っておくと歯周病などの危険性が考えられます。
なので、磨き残しなどが心配の場合は、歯周病などに期待できるこのこのふりかけといった犬用のサプリも検討することをオススメしますよ。
ドッグフードをふやかすときの気になるアレコレ
ここからはドッグフードをふやかすにあたって、気になるアレコレを紹介していきますね。
- ふやかしたドッグフードは冷蔵庫で保存していいの?
- ドッグフードがふやけない!
- ドッグフードをふやかすと下痢にならない?
どれも大切な項目なので、上から順番に見ていきましょう。
ふやかしたドッグフードは冷蔵庫で保存していいの?
ドッグフードをふやかすのは時間が掛かるため、事前にふやかして冷蔵庫に保存している場合があります。
結論から申しますと、ふやかしたドッグフードを冷蔵庫に保存することは極力避けてほしい行為。
ドッグフードに限らず、食べ物は空気に触れると基本的には酸化していくため、時間が経過するごとに劣化していきます。
さらに、ふやかしていることによって、水分量も多くなっているため痛みやすくなります。
最近ワンちゃんの調子が悪かったのは実は・・・ということを避けるために、手間は掛かってしまいますが1食1食作ってあげましょう。
ドッグフードがふやけない!
記事の冒頭で、ふやかす手順を紹介しましたが、ドッグフードの種類によっては全然ふやけないなんてことも。
おそらく原因は、ドッグフードにオイルコーティングが施されていることが考えられます。
ドッグフードの仕上げに動物性の油脂をふりかけることを、オイルコーティングと言います。
ワンちゃんの嗅覚を刺激することで、食いつきを上げることができる反面、油をまとっているため水分が吸収されにくく、油自体が酸化しやすい側面もあります。
ちなみに、オイルコーティングは市販の安価なドッグフードに多く見られ、ワンちゃんの身体に良いことが少ないため、あまりオススメできません・・・
詳しい理由は下記の「市販のドッグフードに安全はない!?」をご覧ください。
ドッグフードをふやかすと下痢にならない?
ドッグフードをふやかすと、当然カリカリタイプより水分量が多くなるので、飼い主さんによっては「下痢」の心配もありますよね。
結論から言うと、基本的には心配ないと考えています。
下痢になる原因を挙げるなら、ワンちゃんが異常に水分を摂取していたりすると、便も水分量が多くなってしまうので下痢につながってしまいます。
ほかにも、ふやかしたときに残った水分は栄養が残っているので、そのまま捨ててしまうと栄養不足になってしまう可能性も少しはあるかもしれません。
ドッグフードをふやかす最適な方法をふりかえってみて
今回はドッグフードをふやかす最適方法を中心に紹介していきました。
記事内で紹介したポイントをまとめていくと…
- ぬるま湯をドッグフードにひたひたに注ぎ15分程度待つ
- 器の底に水分が余っていたら一緒に与える
- ぬるま湯以外の方法はオススメできない
- メリットは沢山あるが、歯垢が残りやすいデメリットもある
- ふやかしたドッグフードを冷蔵に保存してはいけない
ふやかしたドッグフードは、子犬や老犬、食欲がないワンちゃんなど、様々な状態にオススメできます。
さらに作り方も最初は少し難しいですが、慣れてしまえば後は簡単。
だけど、そのかわり歯垢が残りやすいので、ワンちゃんの口内ケアはしっかり行うようにしましょう!
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