今回は、そんな原材料から紐解くドッグフードの正しい選び方から、今でも使用されている危険な原材料の見分け方まで、全て解説していきます。
この記事を読めば、今よりもドッグフード選びがグッと楽になり、ワンちゃんも健康で長生きできる生活を送ることができますよ。
記事の目次
本当に良いドッグフードの選び方は5つの原材料の条件をチェックするだけ!
実はドッグフードには、農林水産省が定めるペットフード安全法と呼ばれる法律が存在します。
法律で定められているため、一見すると安全に守られているように思えますが、人間が直接口にしないので基準はとても緩く、お世辞にも安全とは言えません。
そのため人間の目線から見ると、
『こんな原材料使って大丈夫なの!?』
・・・なんてことも当たり前のようにあるので、飼い主さん自らが下記のドッグフードの選び方をチェックしてワンちゃんを守る必要があります。
- 原材料は人でも食べられる品質
- 原材料表記の最初は穀物ではなく肉類になっている
- 動物性油脂は使用していない
- 無添加または、天然由来の添加物だけ
- ドッグフードのパッケージに総合栄養食と記載されている
たしかに一度に見ると難しく感じますが実は、人間の目線から見ると当たり前のことばかり。
人でも食べられる原材料を使用しているヒューマングレードの品質|ドッグフードの原材料の選び方
ドッグフードに使用されている原材料は、人間が食べられない食材を使用しているのはご存知でしょうか?
そのため原材料は『ヒューマングレード』の品質にするのが、安全なドッグフードの選び方です。
ヒューマングレード(Human Grade)とは人間が食べることができる原材料のことを言います。
また、ヒューマングレードの詳しい内容や注意点は、ヒューマングレードの意味を徹底解説で、紹介しているので合わせてお読みください。
鶏肉や豚肉、サーモンなどハッキリとして表記のドッグフードがおすすめ
私たちが普段口にしている食品の原材料を見てみると、
- 鶏もも肉
- 豚バラ肉
- 牛肩ロース
など具体的に表記しています。
一方で、市販のドッグフードの原材料を見てみると、
肉類(牛肉粉、チキンミール、豚肉粉、チキンレバーパウダー)
・・・と表記されていますね。
そのため、ドッグフードを選ぶときは、原材料に『鶏肉』『豚肉』などハッキリ記載されている種類を選びましょう。
原材料の最初は穀物ではなく肉類(動物性タンパク質)を使用している|ドッグフードの原材料の選び方
人間と違ってワンちゃんの食性は、肉食よりの雑食動物なので、肉類や魚類から得られる動物性タンパク質はとっても大切。
ですが、値段の安すぎるドッグフードの多くは主原料に穀物を使用していることも。
実際にあるドッグフードの原材料
メーカーによって意図はあると思いますが、おそらくカサ増しをしてコストカットをしていることが予想されます。
ドッグフードの選び方で迷っている際は、絶対に原材料表記を確認し、肉類や魚類が主原料になっていることをチェックしておきましょう。
ドッグフードには多少の穀物が含まれているのが理想
ワンちゃんの祖先は穀物を食べる習慣がないオオカミだったことから、
『ドッグフードの原材料に穀物は、必要ないんじゃないか?』といった声もあります。
しかしAPOP(ペット肥満予防協会)の調査によると、
事実として、低グレインもしくはグレインフリーの食餌は他のタイプのフードに比べ犬の健康に良いものかどうか質問した場合、46%のペットオーナーは「健康に良いと思う」と回答したのに対し、63%の獣医師は「そうは思わない」と回答しました。
引用:Veterinarlan
上のような調査結果になっているため、ドッグフードの選び方の基準として、穀物不使用はあまりおすすめできません。
そのほかにも穀物がないドッグフードは、ワンちゃんのうんちが緩くなったりもするので、当サイトとしてはむしろ、多少の穀物は必要だと考えています。
ワンちゃんと穀物の関係については現在も研究が進められているので、正解はありません。
しかし特にアレルギーなどが、なければ過剰に心配する必要はないですよ。
さらに詳しく穀物が必要である理由を知りたい場合は、ドッグフードのグレインフリーのデメリットの記事で詳しく書いてあるので、読んで頂ければと思います。
どんな動物から抽出したか不透明の動物性油脂は不使用|ドッグフードの原材料の選び方
原材料の品質や、穀物の有無と比べると地味に思える脂類の選び方。
主に、ほかの原材料ではカバーしきれない栄養を補助する目的で使用されています。
動物性油脂とは、文字通り動物から抽出した脂肪分のことを言って、匂いが強烈のためドッグフードの食いつきを上げるために使用されています。
ほかにも動物性油脂は、品質が良くない動物から抽出していることが殆どなので、油自体の品質も悪く、体調不良の原因にも繋がります。
基本的に市販の格安ドッグフードに使用されることが多い原材料で、フード自体が油っぽいことが特徴ですので、ドッグフードを選ぶ際は注意してくださいね。
鶏肉脂肪やひまわり油など詳しく原材料に表記しているのを選ぶ
ヒューマングレードの原材料の選び方と似ているのですが、ワンちゃん目線で考えれば、動物油脂とは表記しませんし使用もしません。
安全と言える品質の良いドッグフードは『鶏肉脂肪』『ひまわり油』など詳しく表記しています。
- サーモンオイル
- 亜麻仁油
- 鶏肉脂肪
- ひまわり油
- 米油など
ほかにもありますが、ドッグフードを選ぶときは原材料の油の種類もチェックしてみてください。
人工添加物は不使用で天然由来の添加物のみか?|ドッグフードの原材料の選び方
ドッグフードの種類によっては、原材料を見ると沢山の添加物が使用されています。
添加物には『人工添加物』『天然添加物』の2種類あり、
安全なドッグフードの選び方は、天然添加物のみを含んでいるドッグフードを選びましょう。
- ローズマリー抽出物
- ミックストコフェロール
- ハーブ抽出物
- 緑茶抽出物
しかし天然の添加物は人工添加物と比べて効果も弱いため、正しい方法で保存する必要もあるので、注意してくださいね。
品質の高いドッグフードは劣化しやすいため、一度目を通しておくと良いかもしれません。
無添加の売り文句に注意!本当の無添加ドッグフードは数少ない
ドッグフードを実際に選んでいると、『〇〇無添加!』など見たことありますよね。
一見すると健康的に思えますが、実は私たちが考える『添加物不使用』という意味の無添加ではないことが殆どなのです。
「無添加」、「不使用」又はこれらに類似する用語は、無添加である原材料名等が明確に併記され、かつ、当該原材料につき、次のア又はイの基準を満たす場合に限り、表示することができる。
ア添加物以外の原材料に係る表示については、ペットフードの全ての製造工程において当該原材料が使用されていないことが確認できる場合
イ添加物に係る表示については、当該添加物につき、ペットフードの表示のための添加物便覧に記載された添加物(加工助剤、キャリーオーバー及び栄養強化目的で使用されるものを含む。)を一切使用していないことが確認できる場合
つまり、使用していない添加物が分かっていれば『無添加』と表記できるということですね。
ドッグフードと水だけで1日分の栄養が取れる総合栄養食か|ドッグフードの原材料の選び方
誤解されがちなポイントですが、ドッグフードを選ぶときは総合栄養食と記載されているフードを選んでください。
「総合栄養食」とは、ペットフードのうち、犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスのとれた製品であって「ペットフード公正取引協議会」の定める試験の結果を基に定められています。
噛み砕いて解説すると、ドッグフードと水だけでワンちゃんの1日分の栄養が取れるのが総合栄養食というわけですね。
逆に言えば、総合栄養食じゃないと栄養が足りないということになるので、ドッグフードの原材料を選ぶのと同時にチェックしてみてくださいね。
ドッグフードには危険な原材料が沢山含まれている
市販のドッグフードでも長生きできるワンちゃんもいるのは事実ですが、やはり原材料の品質を見ると不安は拭えません・・・
- 〇〇ミールなどの本来廃棄される原材料
- 効果は強力だが愛犬も危険に晒される人工添加物
ワンちゃん目線で考えたら絶対に与えてほしくない原材料ばかりなので、それぞれ詳しく見て今後のドッグフードの選び方に役立ててくださいね。
〇〇ミール、〇〇肉副産物といった本来廃棄される原材料
記事の前半部分でも少し触れましたが、ワンちゃんにとってお肉から得られる動物性タンパク質はすごく重要。
しかし格安ドッグフードの多くは、お世辞にも良いとは言えないような品質のお肉を使用していることが殆どなのです。
〇〇ミール・〇〇ミート 例:チキンミール | 動物の毛やひづめ、内蔵(糞尿を含む)を圧縮して粉砕し粉状にした原材料です。 参考:AAFCO |
〇〇等 例:チキン等 | そもそも原材料を伝えるための表記なのに、〇〇等だと曖昧すぎて伝わらない。 |
〇〇肉副産物 例:家禽副産物 | 内蔵や骨などを粉末にした原材料で、非常に安価に入手することができます。 |
〇〇エキス 例:チキンエキス | 残りカスや脂肪などを濃縮した原材料で、食いつき強化に使用されることが多いです。 |
さらにドッグフードの値段も考えると、これらの食材の品質は良いと考えるのは難しいため、飼い主さんには絶対にドッグフードの原材料をチェックしてほしいです。
ですが、ドッグフードの原材料になるようなミールなどは高温加熱や、添加物も沢山加えるので自然的な食生活とは、かけ離れているため避けるのが無難ですよ。
ドッグフードに含まれる曖昧な肉類は4Dミートの可能性が高い
あなたは4Dミートと呼ばれる言葉はご存知でしょうか?
4Dミートとはアメリカ発祥の言葉で、
- Dead:死んだ肉
- Dying:死にかけの肉
- Diseased:病気の肉
- Disabled:障害のある肉
頭文字4つのDから由来したお肉の名称のことを言います。
『いくらなんでも、そんなひどいお肉をドッグフードには使わないでしょ』
と、感じるかもしれませんが、そもそもドッグフードは食品ではなく雑貨として扱われています。
そのため原材料の品質に関する細かい法律などはなく、4Dミートの品質のお肉もドッグフードに使用することができてしまいます。
さらに農林水産省も、そのような品質の肉類を取り扱っていると開示しています。
画像元:農林水産省
画像を見る限り、死亡した家畜はペットフードにして良いと記載してあるので、Dead(死んだお肉)は本当のようです。
今回の記事で何度もお伝えしていますが、ワンちゃんのためにも原材料でドッグフードを選ぶ場合は、絶対に避けてください…!
効果は強力だが愛犬も危険に晒される人工添加物
ドッグフードの酸化やカビ防止、色付けなどに使用される添加物ですが、粗悪な原材料と同じようにワンちゃんにとって危険なモノばかり。
下の表がドッグフードに使用されることの多い添加物なので、ドッグフードを選ぶ際は参考にしてください。
酸化防止剤 | エトキシキン・BHA・BHT・没食子酸プロピル |
保存料 | ソルビン酸カリウム・プロビレンググリコール・合成保存料 |
着色料 | 赤色〇〇号・黄色〇〇号・酸化チタン・亜硝酸ナトリウム |
甘味料 | ソルビトール・キシリトール・グリシリジン・アンモニエート・コーンシロップ |
これらの添加物は天然由来ではなく全て人工添加物で、なかには病気のリスクも確認された添加物も存在します。
ペットフード安全法でも、使用に制限もされていますが、やはり人間が口にしないためか、上限値がとても緩く設定されています。
画像元:ペットフード安全法基準規格等
比べてみると分かるのですが、人間よりも体の小さいワンちゃんが75倍の量の危険な添加物を摂取して良いことになっています。
このように危険な原材料と同様に添加物の法律も緩いので、飼い主さん自身がワンちゃんを守る必要があるのです。
また、添加物について詳しい解説は『ドッグフードに含まれる危険な添加物』で紹介しているので、合わせてお読みくださいね。
ドッグフードの原材料選びでよくある疑問
- ビートパルプって体に悪いの?
- 塩分はワンちゃんに体に必要ない!って本当?
ドッグフードの原材料の選び方をインターネット上で探していると、特に上の2つの疑問が挙げられています。
原材料に塩が使用されていると、『必要ない』と一刀両断するサイトも沢山見かけるね!
しかし、ひとつづつ見ていくと『その結論は違くない?』と疑問に思ってしまうことも。
ビートパルプ自体は体に悪いわけでなく製造方法が危険視されている
ドッグフードの原材料について調べていると、一度は疑問に思ってしまうビートパルプ。
インターネット上にも様々な解釈がありますよね。
ビートパルプとはサトウダイコンから、砂糖を抽出したあとに残る繊維状の物質のことを言います。
ネット上でよくある意見として、
- 薬剤を使って抽出しているから薬剤が残留している
- 食物繊維の固まりのため、便秘になる危険がある
などが挙げられています。
しかしビートパルプの抽出方法に関して、ドッグフードメーカーは以下のような回答もしています。
ビートパルプは良くないと言われていますが、その大きな理由は抽出方法にあります。ペットフードによく使用されているビートパルプは、効率よく抽出するために硫酸系の薬品を使い溶かして作られます。 その際に薬品が残留し、ペットの体に良くない影響を起こす事があります。その為、ビートパルプは敬遠されています。アーテミスで使用されているビートパルプは上記の抽出方法ではなく、圧力をかけ浸出してくる様々な構成成分を分離し、最後に出てくる繊維分として抽出された物になります。ビートパルプそのものは食物繊維を豊富に含み、決して有害ではありません。
引用:KMT
さらに、ビートパルプに含まれる食物繊維は腸内の善玉菌のエサにもなるため、腸内環境の改善や腎臓の働きにも一役買ってくれます。
だけど、そうなると原材料費も高くなるので、値段を下げようとあえてビートパルプを使用するメーカーさんいますね!
犬は汗をかかないから塩はいらないとされがちだが本当は必要
ネット上では『ワンちゃんには塩はいらない』といった噂が広まっています。
その仕組みは、ワンちゃんにも当てはまることなので、塩は栄養素を補完するために必要な原材料となっています。
ちなみに多くのドッグフードメーカーが栄養の基準としている、AAFCOが定める塩(ナトリウム)の量は、
- 子犬:0.3%
- 成犬:0.08%
※乾物値換算
となっています。
もちろん多すぎず少なすぎずのバランスが大切なのですが、
総合栄養食であれば塩(ナトリウム)の数値はクリアしているので、記事冒頭で解説したドッグフードの選び方を守れば問題ありません。
良いドッグフードでも愛犬が食いつかないときもある。だけど粘って食べてもらう
ここまでが、原材料に関するドッグフードの選び方でした。
それは、良いドッグフードだからといってワンちゃんが必ず、食いついてくれるとは限らないこと。
『良いドッグフードだから食べてくれるのは当たり前じゃない?』と誤解しがちですが、それは全く逆なのです。
そのため最初は食べてくれないことから、『ドッグフード選びに失敗した』と思いがちです。
そうはいっても、ドッグフードはワンちゃんに食べてもらう必要がありますよね。
- ドッグフードを少しづつ切り替える
- ぬるま湯でふやかして、嗅覚を刺激してあげる
当サイトは上記の2つの方法を解説していきますので、ドッグフードを選びのついでに読んでみてくださいね。
犬が警戒してドッグフードを食べてくれないときは少しづつ切り替える
私たち人間がご飯が食べる場合、毎日違う種類の食事が目の前にあっても、何も違和感なく食べると思います。
しかしワンちゃんの場合は、警戒心が強いのでドッグフードを、突然切り替えると食べてくれないことも。
ほかにもワンちゃんは人間と違って腸の長さも短いので、正しくドッグフードを切り替えないと消化不良を起こし、下痢に繋がる恐れもあります。
そのためドッグフードを新しく選んだ際は、全て与えるのではなく徐々に切り替えてみてくださいね。
ドッグフードをぬるま湯で香りを強くして犬の鼻を刺激する
ご存知の方も多いと思うのですが、ワンちゃんの嗅覚は人間よりも遥かに優れています。
しかし、ドッグフードは水分量も少なく、常に常温なので香りも強くはありません。
人間の食べ物に例えてみると、冷たい状態よりも温めたほうが香りも強くなりますね。
それと同じで、ドッグフードをぬるま湯でふやかしてあげることで、通常よりも香りが強くなり、『ワンちゃんの嗅覚を刺激』することができます。
ただし、してはいけない『ふやかし方』などもあるので、上記の掲載リンクの記事を参考にして、正しくふやかしてみてくださいね。
安全な原材料のドッグフードを選んだら保存方法も気を付ける|まとめ
今回はドッグフードの原材料の選び方を解説していきました。
- 〇〇ミールなどではなく鶏肉、牛肉の分かりやすい表記を選ぶ!
- 主原料に穀物はNGだけど、多少の穀物は入れていることをおすすめ!
- 動物性油脂などの曖昧な油を使用したドッグフードは避ける!
- 『添加物不使用』の言葉には気をつけ、安全な添加物のみのドッグフードを選ぶ!
- パッケージまたは、公式サイトを確認して『総合栄養食』の記載があるか確認!
ドッグフードの種類は国内外も含めると無数にあるので、一度迷ってしまうと、なかなか抜け出すことはできません。
ワンちゃんのために悩むことは素晴らしいことですが、悩みすぎるのも考えものなので、まずは正しい選び方を理解して、ドッグフードを手にとってみてくださいね。
ちなみに安全なドッグフードほど、添加物も使用していないので日持ちもしにくく、
『気がついたら悪くなっていた・・・』なんてことも。
初めて品質の高いドッグフードを手に取る飼い主さんほど、保存方法は失敗しがち。
なので『無添加ドッグフードの保存方法を全て解説』の記事も合わせて読み、正しくドッグフードを保存してくださいね。
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